アイリッシュ・トラッドという言葉を知ったばかりの時期にたまたま楽譜を見つけて弾いてみた数曲のうちのひとつです。以前ネタにしたCalliope House、The Lark in the Morningなどと同じ時期にチャレンジしたことになりますが、Calliope Houseは訳が分からず投げ出してしまい、The Lark in the Morningは覚えたものの全然jigなリズムではなく、その他の曲も "推して知るべし" なありさまだったことを思うと、レパートリーとしてはこちらがずっと古いことになります。
もっとも、その後聴いたCDやライブなどでのいろんな演奏がちゃんぽんになってしまっていまして、私が今弾いているバージョンはもはや出所不明、かなり適当です。
ネット上で見つかる楽譜はキーが違ったり、メロディの動きが違ったり、いろいろなバージョンがありますが、例えばThe Session、The Kitchen Musician Websiteに掲載されています。もともとはThe Moreenという古いairにアイルランドの国民的詩人Thomas Mooreが詩を付けたものですが、marchとして演奏されることも多いようです。4/4 で記譜されているからでしょうか、The Sessionではstrathspeyに分類されていますが、それはさすがに違うんじゃないかと・・・。
The Sessionに掲載されているバージョンはおそらくmarchとしての演奏を意識していると思います。The Kitchen Musician Websiteの歌詞つきの楽譜とは譜割がかなり違って面白いですね。ちなみに私はこんな感じで弾いていまして、The Sessionのものと比べると細かい動きが加わっています。たぶん、airとして歌詞を載せることを意識したバージョンをベースに覚えた結果なんでしょう。
歌詞も表記ゆれがいろいろあるようですが、The Sessionで紹介されているのは以下のとおりです。
The minstrel boy to the war has gone,
In the ranks of death you'll find him;
His father's sword he hath girded on,
And his wild harp slung behind him;
"Land of Song!" cried the warrior bard,
"Tho' all the world betrays thee,
One sword, at least, thy right shall guard,
One faithful harp shall praise thee!"The Minstrel fell! But the foeman's chain
Could not bring that proud soul under;
The harp he lov'd ne'er spoke again,
For he tore its chords asunder;
And said "No chains shall sully thee,
Thou soul of love and brav'ry!
Thy songs were made for the pure and free
They shall never sound in slavery!
marchとして歌うにはちょっと悲壮感がありすぎますし、生きて帰れないことを前提としているように感じますが、ひょっとするとこういうのがアイルランド的なmarchなんでしょうか。そういえばThe Foggy Dewなんかもmarchの割には妙に暗い曲調で、歌詞もまた輪をかけて悲壮ですね。アイルランドの英雄伝説は血沸き肉踊る冒険譚というよりは悲劇の色彩が濃いですが、思わずそのへんも連想してしまいます。
歌詞の重さに引きずられているかもしれませんが、私はあまり感情がこもるといやらしいような気がして、そっけないぐらいにあっさり弾くのが好きです。
かなり有名な曲なのですが、あまり演奏されていないように思います。やっぱり非ダンス・チューンはセッションと相性が悪いからでしょうか、私の周囲では知っている人は多いが弾ける人はいない、という微妙な状況です。耳なじみのいいきれいなメロディなので、ときどき弾いてみて広められたらいいな、などと。歌ものが好きな方はお付き合いいただけると嬉しいです。
音源 etc.
The Minstrel Boy Harp with Violin:
フィドルとハープのデュオ。ハープのソロのアレンジがいいです。フィドルではこういうスタイルで弾けないので、非常にうらやましいです。
The Minstrel Boy - an Irish air played on the ukulele:
ウクレレのソロ。恥ずかしながら、これを見るまでウクレレが "歌う" 楽器だというのを認識していませんでした。演奏者はタブ譜も公開しています。
Eireann "The Minstrel Boy" (the corrs):
エレキ・フィドルとキーボードのデュオ。The Corrsの演奏をコピーしたそうです。
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