しつこいようですが、私の愛聴盤The Road North(Alasdair Fraser & Paul Machlis)に収録されているstrathspeyです。
ネットで見つけた楽譜はこちらです(The Kitchen Musicians WebsiteのMusicより)。
strathspeyはスコットランドのダンス曲のジャンルで、
と
の組み合わせを基本にした、スコッチ・スナップという特有のリズムを持ちます。ごつごつした感じがぐっときて、私は大好きです。
作曲者はWilliam Marshall。没年が楽譜の説明とWikipediaの記述で違いますが、18世紀半ばから19世紀半ばの人物です。
楽譜に書かれている説明をざっくり紹介すると、多作で知られる作曲家で257曲もの作品を残しており、うち半分がStrathspeyなんだそうです。彼の曲は難しいものが多く、そのことについて人に問われるて「下手くそに用はない」とのたまったとのこと(原文は he responded that "he did not write for bunglers"。意訳しすぎでしょうか)。でも、The Banks of SpeyはMarshallの曲としては簡単なものだとのことですので、ご安心を。私でもなんとか弾けましたし。
さて、この曲は愛聴盤の中でも特にお気に入りの曲の1つで、いつか挑戦したいと思いつつ、でも難しそうだし・・・と先延ばしにし続けていたものです。とあるセッションにてちょっと調子に乗った拍子に、出来心でバイオリン教室(!)の発表会の曲に選んでしまいました。CDのとおり、The Banks of Spey(strathspey)からBrenda Stubbert'(reel)につなげるセットにしましたが、Brenda Stubbert'sの話はまた後日。
正直、発表会で弾くのにフィドルの曲なんて選んで先生が気を悪くしないかと初回のレッスンはドキドキでしたが、面白がってくださり、むしろけしかけられたのでほっとしました。クラシックが専門の先生ですが、考えてみれば仕事ではイージーリスニングやポピュラーも演奏されるので、許容範囲は広い人なんでしょう。
誤算だったのはCDで聴き慣れていることと、リズムにのれることはまったく別だったということ。耳コピーが苦手なのでまずは譜面を見ながら弾くわけですが、スコッチ・スナップは予想外に厄介でした。初挑戦でなじみがないため弾きやすい弓順がなかなか整理できない上に、譜面のリズムがCDのリズムとちょっと違うため眼が迷う・手が迷うで四苦八苦しました。頭で分かった後も手がなじまず、ややもするとjigみたいになって拍が分からなくなったり・・・。なんとかインテンポで弾けるようになったときには、練習を始めてから2ヶ月近くたっていました。
ともあれ、これなら本番に間に合うと胸をなでおろしたのも束の間、ここで第2の誤算が待っていました。先生曰く、「だいぶ形になってきたので和音を増やしてみましょう。CDだともっと和音が多いですよね」・・・気分は振り出しに戻ります。「いや、でも、単音で弾くだけでいっぱいいっぱいですし・・・」と弱々しい抵抗を試みたものの、「大丈夫、開放弦で音を足すだけですから簡単ですよ」と満面に笑みを浮かべてわざわざCDから採譜してくれた譜面(※)を見せてくれました。もう逃げられません。どうせならとリズムもCDの演奏に合わせることにし、さらい直しました。
※電子版は先生の手書き譜を元に私が作りました。間違ってたら私のミスです。
とまあ、途中いろいろありましたが、変な曲を選んだおかげで普段はないやり取りがあったりして、レッスンも楽しかったです。例えば何気なくカットで装飾を入れてみたら「今の中途半端な変な音、CDの演奏でも聴こえましたけどどうやってるんですか?」ときかれてカットについて説明したり(そしてその場で練習し始める先生)。発表会もなんとか無事に済みました。・・・聴衆の反応はよく分かりませんでしたが(一応拍手はもらいました)。
音源 etc.
The Laughing Wolfや">Mountain Madness同様、The Road North以外の音源は知りません。Amazonの試聴用の音源で、Bパートの後半からAパートの前半にかけてを聴くことができますので、お試しください。トラック9です。
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