O'Carolanの処女作とされている曲です。彼の最初のパトロンとなったCounty Leitrimの郷士(squire)George Reynoldsに "指よりも舌を用いるべきだ(might make a better fist of his tongue than his fingers.)" 、つまり演奏よりも詩作・作曲の才能を活かすべきだと助言され、Reynoldsが語って聞かせた当地の伝説を題材として作曲したというエピソードが有名です。
タイトルは "大きな妖精、小さな妖精" と訳されることが多いですが、語呂を無視して意味だけを捉えるなら "大きな妖精塚、小さな妖精塚" とした方が適切でしょう。siはfairy mound(妖精の棲む塚)のことで、妖精を指す使い方は副次的なものですし、Si bheag、Si mohrは現在もCounty Leitrimの地名として残っていますので(綴りは英語風にSheebeg、Sheemore)、妖精ではなく塚の方を指すと考えるのが自然なはずです。・・・自分で調べたならなかなかのものだと思いますが、全部アイルランド語の研究者からの受け売りです。
モチーフとなった伝説はSeemohr(little fairy mound)の妖精の女王がSeebeg(big fairy mound)の妖精の女王を侮辱し、妖精同士の戦争が起きたというものです。地名が残っているぐらいですから舞台となった場所もはっきりしており、ReynoldsやO'Carolanにとってはかなりリアルに訴えかけてくる伝説だったのではないでしょうか。この戦いにはFionn mac Cumhaill(フィン・マックール)率いるFianna(フィアナ)騎士団も参戦しており(しかも伝説に名高いFianna騎士団が敗れています)、かなり激しい戦いだったはずです。それがなぜこんな牧歌的な曲調になるのかは、ちょっと理解に苦しむところです。子供の頃に銀玉鉄砲で戦争ごっこをしたのを思い出してしまうのは私だけでしょうか?
私は大森さんのホームページに掲載されているバージョンで覚えましたが、フィドル倶楽部関係以外のセッションではThe Sessionに収録されている音がやや少ないバージョンを耳にすることが多いように思います。ライブやCDでは音数を増やすアレンジをよく聴きますので、大森さんの楽譜は控えめに音を足したバージョンなのでしょう。ちなみに大森さんはライブではもっと大胆に音を足していることが多いです。
ゆったりしたテンポでしっとり弾く人もいれば、軽快に歯切れよく弾く人もいますし、メロディのアレンジ以外にもいろいろ遊びがいのある楽しい曲だと思います。
O'Carolanは曲だけでなく詩も作っていて、The Fiddler's Companionの記事で紹介されていますが、どうやらゲール語らしく内容はさっぱり分かりませんでした・・・。
音源 etc.
超有名曲だけあって、Youtubeを検索すると山ほどの音源が出てきます。マニアックな楽器での演奏もいろいろありますので、興味のある方は探してみてください。
si bheag, si mohr on hammered dulcimer:
ハンマー・ダルシマーでの演奏。ハンマー・ダルシマーをはじめてたった2ヶ月だそうですが、それでここまで弾けるのはすごいです。
Si Bheag Si Mhor O'Carolan celtic harp tune
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凝ったアレンジのアイリッシュ・ハープの演奏。演出もすごいです。これぐらい自分に酔って弾けたら気持ちいいですね。
Celtic Violin - Si Bheag Si Mhor Reference Video:
あまりフィドルっぽくない気がしますが、アレンジが面白いです。
こちらで楽譜が公開されています。
Turlough O'Carolan's Si Bheag Si Mhor Performed by Chrissy Steinbock:
ギターの弾き語り。歌ははじめて聴きました。
教室の先生が、生徒の演奏を録画したということです。オンライン発表会でしょうか?
Si Bheag Si Mhor on the Low A whistle
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ロウ・ホイッスルのソロ。アマチュアっぽいですがかなりの腕前です。
Cormac Breatnach - With Micheal O Suileabhain
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ロウ・ホイッスル、チェンバロ(?)、チェロのトリオ。ティン・ホイッスルのプレイヤーがPVとして公開しているようです。
軽快なテンポで、アレンジもかなり凝っていてかっこいいです。
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