しゃけ、とれぴち、つぼ。
何かの暗号? セッション中に飛び交うセットの指定で、これはpolkaのセットです。しゃけ=Cuil Aodha(Salmon Tailing up the Riverという別名から)、とれぴち=とれとれぴちぴち=The Mealagh Valley Polka#1、つぼ=Brown Jug。鮭、蟹、什器の組み合わせが面白く、弾いてみてもなかなかおさまりがいいので仲間内で定着しつつあります。
Cuil Aodhaはずいぶん前に大森さんのワークショップで教わった曲です。大森さん作成のpolkaセットの楽譜に含まれていますが、大森さんのHPでは公開されていないので、いわゆる大森tunesの中ではマイナーな方でしょうか。その後きちんと復習せずにほったらかしてしまっていたのですが、初めて参加したオールナイト・セッションで夜明け前に半分居眠りしながら他の人に合わせて弾いているうちに、なんとなく弾けるようになっていました。睡眠学習って本当なのかと驚いたのでよく覚えています。適度に音が跳躍していて、節回しも独特で特徴をとらえやすい曲だから、というのが大きいとは思いますが。
楽譜は例によってThe Sessionに掲載されています。同名のslide、jigも掲載されていますので、類似品にご注意を。
タイトルはたぶん、クール・エー、またはクール・イーと読みます。ゲール語のタイトルで意味はよく分からないんですが、あちこちで得た断片的な情報からcuilは知識、Aodhaは人名(男性)で、 "知者Aodha" といった意味になるんじゃないかと想像しています。
実は調べてみてもAodhaという人名は出てこなかったのですが、Aodhはたくさん出てきました。Mac+Aodh=MacAodha(Aodhの一族の男)となるらしいので、たぶんAodhaはAodhと同じなんじゃないかと思います(ゲール語では固有名詞も格変化するということなので、Aodhが変化してAodhaになる?)。
AodhaはAodhと同じという前提で話をふくらますと、Aodhには炎という意味もあり、ケルトの太陽と火の神の名でもあります。MacAodhaさんは太陽と火の神の末裔という含みがあるわけで、なかなかかっこいい名前ですね。また、有名なところではClann Lir(リア族、リアの子供たち)という物語にもAodhという名の人物が登場します。リア族の王が迎えた後妻が、王が前妻との間にもうけた4人の子を魔法の杖で打ち白鳥に変えてしまうのですが、そのうちの1人がAodhです。
人名を冠した曲という想像があたっているとすると、もともとは歌詞や物語がついていた曲だったりするかもしれませんね。John Ryan'sみたいな感じで "Aodhさんが知っていた曲" という程度かもしれませんけど。
神話や伝説と絡めて連想すると、別名であるSalmon Tailing up the Riverもなかなか意味深長なタイトルです。というのも、ケルト神話では鮭はちょっとした特別扱いを受けている節があるんです。徹底した実力主義で、血で血を洗う跡目争いが繰り返されたケルトの世界では、急流を遡る力強い姿にシンパシーを感じたのでしょうか。例えばケルト神話で最も強力な英雄の1人であるクーフランは影の国の女戦士スカサハのもとで修行し、人間離れした能力を身につけますが、そのうちの1つに "鮭跳びの術" があります。
とっかかりがあるような、ないような・・・というタイトルだと、いろいろ妄想できて楽しいというお話でした。
音源 etc.
Dan Mack's / Tourniore Ladies:
一人二役でフィドルの演奏にギター伴奏をつけています。セットの2曲目がCuil Aodhaです。
Irish tin whistle Polkas as learned from The Cottars:
ティン・ホイッスルのソロ。セットの1曲目がCuil Aodhaです。
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