fiddling, writing

へっぽこフィドル弾きceadの落書き帖です。

Since 2008.01.11, Last updated on 2011.06.16

O'Carolan作曲の美しい曲です。どうも日本ではあまり演奏されていないようですが、アイリッシュ・ハープのプレイヤーには人気があります。

タイトルの意味は "Cashelまでぶらぶらと" といったところでしょう。CashelはCaisealというアイルランド語の英語表記で、 "キャッシュウル" と読むようです(アクセントは第一音節)。いわゆるringfort(石組みの、円形の城砦)のことで、そこから転じてringfortの遺跡がある土地の名前になっていたりもします。例えばCounty Galwayの沿岸部にある村、County Tipperaryの街がCashelという名前です。County Tipperaryにある方のCashelにはノルマン・コンクェスト以前の数世紀に渡ってKing of Munsterの玉座が置かれた城Rock of Cashelがあり、アイルランドで屈指の歴史名所ということですので、もしRamble to CashelのCashelが地名であるなら、County Tipperaryにある方のCashelのことじゃないかと思います。残念ながら現在のRock of Cashelは12~13世紀に再建されたもので、もともとの構造はほとんど残っていないそうです。

この曲をはじめて聴いたのは高校生の頃、友人から貸してもらったCeltic Odysseyというコンピレーション・アルバムに収録された、Northern Lightsというユニットの演奏です。一時期ヘビー・ローテーションで聴いていたアルバムですが、フィドルを弾き始めるとダンス・チューンに夢中になってあまり聴かなくなり、きれいに忘れてしまっていました。少し前にあるセッションでアイリッシュ・ハープのプレイヤーが演奏するのを聴いて改めて気に入り、実に1X年越しで挑戦することになった次第です。O'Carolanだと知ったのはそのときです。

楽譜はとある練習会で配られたO'Carolan全曲(?)集をひっくり返して探し出しました。Web上にはあまり掲載されていませんが、例えばこちらに掲載されています(Tony's Celtic Music Pagesより。O'Carolanについては他にも有名どころの曲が、とっつきやすい程度の量で掲載されているのでお勧めのサイトです)。冒頭のレミファは3連符にしている楽譜もありますが(練習会で配られたものはそうなってます)、私は3連符じゃない方が好みです。

美しいメロディですが、最後の8小節の部分がどうにも強引な気がして、釈然としません。尺が違うバージョンもあると聞いていたので、試しにNorthern Lightsの演奏から採譜してみると、Bパート後半が全然違うメロディで、長さも違いました。Aパートも後半の動きが違います。

Northern Lightsの演奏から採譜したバージョンはこちらです。こちらの方がすっきりしていていいですね。ちなみに、楽譜どおりAABの構成で3回弾いたあと、Bパートをもう1回付け加えています。

楽譜を見ずに弾くときはなぜかBパートの途中から違うフレーズになってしまい、覚えられない・・・と困っていたのですが、CDから採譜してみて、無意識にNorthern Lightsのバージョンに近い構成に変えて弾いていたことが分かり、そちらもすっきりです。曲の存在自体きれいに忘れてたとはいえ、曲の骨格はしっかり耳の奥にこびりついていたようです。

音源 etc.

Ramble to Cashel by Turlough O'Carolan
ギターのソロ。最初に紹介した方の楽譜と同じバージョンのようです。

Carolan's Ramble to Cashel
O'Carolanと言えば、やはりハープです。音の動きが少し違いますが、Northern Lightsのものとほぼ同じ構成で弾いています。

コメント

  • おなべこん :

    早速お邪魔しました^^

    とてもお詳しいのですね、時々来て勉強させていただきます。

    ありがとうございました!

  • cead :

    The Session、Fiddler's Companion、Wikipediaなど便利なものがいろいろありまして、ちょろちょろっと調べれば誰でもさも詳しそうなことが書けてしまう便利なご時世であります(笑)
    本当に詳しくないと書けない話題(ミュージシャンや曲の批評など)は一切避けて通ってるところがポイントですね。

    話半分ぐらいでお楽しみください。

コメントする


プロフィール(任意入力)