fiddling, writing

へっぽこフィドル弾きceadの落書き帖です。

Since 2008.01.11, Last updated on 2011.06.16

17~18世紀のアイルランドで活躍した盲目の吟遊詩人Turlough O'Carolanの手になる楽曲で、私が参加している練習会、セッションでは定番曲のひとつです。

あるとき、その名もずばり "オキャロランを弾く会" という(かつて)初心者向け(だった)練習会にCarolan全曲集を持ち込んだ猛者がいまして、その楽譜の山から発掘されました。以来、 "おカネさん" の愛称で親しまれています。

仲間内で出回った楽譜はこちらです(Free Sheetmusicより)。G Minor、A Minorのバージョンもあるようです。Aパート、Bパートのリピートの仕方もいろいろで、AB、AAB、AABBなど。仲間内ではたいていAABB、ときどきAABで弾いています。

フィドル弾きにとっては弾きやすい曲ですが、音域が低く、臨時記号がちょこちょこ出てくるので他の楽器のプレイヤーにはやりにくいかもしれません。特にティン・ホイッスル(D管)だと嫌だろうと思っていたのですが、先日D管のプレイヤーにCaptain O'Kaneをやろうと言われてちょっとびっくりしました。出ない音、出しにくい音があるのに吹いて面白いのかときいてみたところ「出ない音は心の中で吹くからいいんです」。おみそれいたしました。

Carolanには珍しく、物悲しくもいかつい曲調ですが、それもそのはず、Carolanの友人で "Slasher O'Kane" (人斬りO'Kane)として知られた英雄Henry O'Kaneに捧げられた悲歌らしいです。Captain O'Kaneの他、The Wounded Hussar(手負いの軽騎兵)、The Chevalier's Lament(勇士の悲歌)といったタイトルでも知られています。

Henry O'KaneはCounty Antrimの名家に生まれ、スペイン継承戦争で各地を転戦して活躍した人物ですが、退役して故郷に帰ると、相続権を奪われていたばかりか無法者として追われる身となっており、晩年は恵まれなかったようです。かつて父祖が領主として君臨した土地を放浪するうちに、退役の契機となった戦傷がもとでこの世を去ります。

音源 etc.

Captain O'Kane
Carolanといえば、やはりアイリッシュ・ハープです。ハープで演奏されると、セッションでも一緒になって弾くのがためらわれます。

Maggie Sansone - Captain O'Kane, George Brabizon
アイリッシュ・フルート、ハンマー・ダルシマー、フィドルのピチカート(?)による演奏。同じCarolanの曲であるGeoge Brabizonとセットにしています。キーもアレンジも、紹介した楽譜のものとは違いますがかっこいい演奏です。

Captain O'Kane
アイリッシュではない、フルートの演奏。高いキーから始まって、Bパートから低いキーに転調、さらに最後だけ元のキーに戻っています。多分。こういうアレンジも面白いですね。

Irish fiddle Air -The Wounded Hussar
フィドルのソロ。似ても似つかないアレンジですが、かなりかっこいいです。

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