fiddling, writing

へっぽこフィドル弾きceadの落書き帖です。

Since 2008.01.11, Last updated on 2010.07.22

子供のころに7年、10年ちょっとブランクを経て再開してから3年。通算10年フィドル/ヴァイオリンを弾いていることになりますが、恥ずかしながらいまだに楽器の構え方がよく分かりません。

もちろん、教科書どおりの構え方は分かります。分からないのは、それを実際に自分の体に適用するとどうなるのか、です。楽器のサイズ・形はほぼ一定ですが、演奏者の体格・体形は文字通り十人十色。自然、人によって具合のいい構え方は異なるわけで、個人差をどう吸収したものか悩んでいます。

楽器の位置や角度がちょっと変わるだけで弾くときの感覚が大きく変わるわけですが、「楽器はばっちりフィットするけど指は回りにくい」とか「指は回りやすいけどいまいち楽器がフィットせず構えるのがしんどい」、さらには「楽器の角度がこうじゃないと弓を使いにくい」などいろんな要因がからんでなかなか「これだ!」というのが見つからないんですよね・・・。肩こりなどの要因もからんでくるともう、収拾がつきません。

考えれば考えるほど泥沼にはまっていくわけですが、そんなときは世のフィドラー達の演奏フォームを見てみると、ちょっとおおらかな気持ちになれます(残念ながら参考にはなりません)。Youtubeの動画でご紹介します。

フォーム例1:Cajun Fiddle

左手は、手のひらでネックを支えています。ヴァイオリン奏者は絶対にこういうことはしません。この構え方でよく指が回るな、と思うのですが、中にはきれいなヴィヴラートをかける人もいます。紹介したのはケイジャンのフィドラーですが、アイリッシュでも同じようなフォームの人がよくいます。

フォーム例2:FIDDLE JOHN

こちらはオールド・タイムのプレイヤー。やはり左手は、手のひらでべったり、ではないものの、ネックを支えています。ネックはクラシック・ヴァイオリンではあり得ない角度で下を向いていますし、右手の使い方は完全に別世界のものです。おそらく、セッションやダンスの伴奏で長時間弾き続けても疲れにくい姿勢なんでしょう。自分の腕はけっこう重いので、楽器を水平に構え続けるのは意外にしんどいんです。

フォーム例3:Natalie MacMaster Plays at Tune at Buddy MacMaster's School

こちらはケープ・ブレトン(カナダのノヴァ・スコシア州の島。ノヴァ・スコシアはNew Scotlandの意)のフィドラー。ちょっとヴァイオリンに近づきましたが、やはりネックがかなり下を向いています。アイリッシュやスコティッシュだと、これぐらいのスタイルが一番多いように思います。右手の使い方もクラシックのそれとちょっと違います。また、クラシックだと足で拍子を取るのは恰好が悪いとされますが、フィドルでは逆に恰好よくなるのが分かります。

ということで、いろんなフィドラーを見てみると、弾ければ何でもいいのかな、とちょっと気が楽になります。なんの解決にもなっていませんが、そこは棚に上げます。

さて「フィドルはフリースタイル」と柔らか頭になっていただいたところで、フィドル界の大御所の1人、Ashley MacIsaacのフォームをご覧ください(写真左。The New York Timesより)。

何か変ですね。そう、彼は左利きのフィドラーです。それもただの左利きではありません。なんと右利き用の楽器で演奏します。

フィドル/ヴァイオリンを弾かない方はご存知ないかも知れませんが、フィドルの構造は左右対称ではありません。分かりやすいところでは弦は奏者から見て右から左に向かってどんどん細く(=高音)なります。ちょっとマニアックなところでは駒のアーチは高音側が低くなっていますし、内部も低音弦の下にはバスバーという板のようなものが取り付けられていたりします。そこで、通常、左利きのフィドラーは「鏡写し」に作られたフィドルを弾きます。

有名なところではチャップリンも左利きのフィドラーですが、まっとうに左利き用のフィドルを使っていました。

Ashley MacIsaacのフィドルが右利き用だと分かる写真を見つけられなかったのが残念です。動画だと一目瞭然なのですが、権利関係がやばそうなものしか見つからなかったので、紹介は控えさせていただきます(蛇足ながら、一見低音弦を弾いているように見えるのに高音が出てくるという、なんとも気持ち悪い動画でした)。

ここまで自由にはなれなくていいや、というのが率直な気持ちです。

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